伊勢両宮 歴史・由緒

庄内のお伊勢さま 大神宮さん

御祭神

内宮 天照大御神

神道の最高に尊い神さま

国家安泰 開運 勝運 福徳など幸せを与える神様として崇拝されております

外宮 豊宇氣毘賣命 (豊受大御神)

外宮 豊宇氣毘賣命(豊受大御神)
外宮 豊宇氣毘賣命(豊受大御神)

農業 水産業 工業 商業 衣食住 の守護神として崇拝されております

例祭日

8月1日
例祭は1年間で最も大切な神事です。
例大祭例大祭
昔から8月1日は八朔祭りといわれ、作物が天災に遭わずに実るように、豊かな実りと産業の発展を祈っておりました。当伊勢両宮では皇室、国家の隆昌、世界の平安、地域の安寧と崇敬者の繁栄を祈願するお祭りです。さらに例祭は、内宮、外宮並びに境内に祀られる神々のご加護に感謝申し上げ、一層のご神威を戴く重要なお祭りであります。

沿革

天文3年(1534) 諸国に疫病の大流行があった際、伊勢神宮の御神木を伊勢より諸国に巡らしたところ、その疫病がたちまち止んだそうです。この御神木が当時出羽の国大宝寺(鶴岡になる前の地名)に入ってきた時、御神木が急に重くなり、大盤石のように動かなくなったそうです。

村人は驚いて、神子に御神意を伺ったところ、伊勢大御神の御神託に「この国に留まりて鎮守の神とならん」というみことのりを賜ったそうです。村人は大いに喜んで、一社を設立し「神明宮」と仰ぎ祀ることにしました。この「神明宮」が当「伊勢両宮」の創始となります。

明暦2年(1656) 庄内藩主酒井公により鶴岡城下天神町(旧町名)に伊勢外宮が勧請され、現在の地に社を建立されました。

内宮 天照大御神
内宮 天照大御神

天和元年(1681) 大宝寺にご鎮座の内宮を前述の外宮と並べて遷宮し、あわせて伊勢両宮となりました。

その後も内宮・外宮の本殿並びに社殿の御造営と御遷宮は、伊勢神宮にならい二十年毎に藩主酒井公を始め庄内一円の崇敬者の寄進によって斎行されました。元禄2年(1689)より嘉永2年(1849)までに九回、その後は明治2年(1869)、22年(1889)42年(1909)に斎行しました。昭和に入り戦中戦後、御遷宮はとだえました。

鰹木 千木昭和62年(1987)御鎮座330年
庄内一円の崇敬者が旧庄内藩主酒井家17代当主の忠明氏を会長にいただき、御造営奉賛会を結成し、両宮本殿、幣殿、拝殿の御造営が成り、秋に遷宮を行いました。本殿と拝殿には、伊勢の神宮に倣い、棟に鰹木が乗せられ千木が高くそびえているのが特徴です。

鳥居の前にある社標並びに内宮、外宮の拝殿向拝に掲げてある社名額は酒井忠明氏の揮毫によるものです。

その後、鳥居、手水舎なども改築し現在に至ります。

本殿が内宮・外宮別棟の神社は希です。

平成28年(2016)御鎮座360年
外宮御鎮座360年(その25年後に内宮が御鎮座)さらに、御本宮である伊勢の神宮より第62回式年遷宮の御装束神宝(御鏡 御靭)を拝戴したことを記念し、酒井家18代当主忠久氏を始め大勢の崇敬者ご参列のもと、御鎮座360年記念奉祝大祭を斎行しました。

また崇敬者各位のご奉賛により、参道も融雪設備を取り入れた石畳に改修、本殿瑞垣の補修も行いました。

参道

境内社

境内の西側二棟に四神社をお祀りしております。

  1. 太田神社(みちひらきの神様)
    三重県伊勢の猿田彦神社の御祭神の猿田彦尊とその御子孫である太田命をお祀りしております。
  2. 多賀神社(安産と長寿の神様)
    滋賀県近江多賀大社の御祭神の伊邪那岐大神が禊ぎされた際にうまれた神直日大直日神と伊吹戸主神さまをお祀りしております。多賀大社は、昔「お伊勢へ参らば、お多賀へ参れ。お伊勢はお多賀の子でござる」と歌われておりました。
  3. 宗像神社(航海安全 交通安全をお守りする神様)
    福岡県玄界灘の宗像大社の御祭神 田心姫神、湍津姫神、市杵島姫神の三女神さまをお祀りしております。
  4. 疱瘡神社(医薬の神様 健康を守りわざわいをはらう神様)
    大己貴命、少彦名命をお祀りしております。

伊勢神楽

伊勢神楽獅子舞
天和2年(1682)伊勢屋藤右衛門が、伊勢より奉載してあった獅子頭を修理し藩の許しを得て、鶴岡城中を始め庄内一円で「伊勢神楽」(伊勢屋の神楽)が巡回されるようになりました。
お獅子様が神使いとして村に回って来てくれることから、居ながらに参宮が出来ると喜び、これを「居参り」と称しました。

明治以降は庄内藩の領地であった最上川の左岸、川南地域、鶴岡市を中心とした東西田川の全集落を6月~9月の3ヶ月に亘り巡回し、獅子舞、神子舞、繰りものの奉納で崇敬者の安泰と五穀豊穣を祈願し約300年続きました。

昭和45年以降は、巡回は中断し、現在は例祭、伊勢代参講社大祭の年2回神社で奉納しております。

永代常燈

永代常夜燈境内の常夜燈(高さ5.2m 笠経2.7m 台座経4.2m)は、文政4年辛巳6月(1821) 篤志家の方々のご奉納で建立されました。

石材は庄内平野南に位置する金峰山の花崗岩が使用され、200年近くの長きにわたり、現在も崇敬者の足下を照らしております